吉田右子著「メディアとしての図書館」(日本図書館協会2004年刊)を読了。アメリカの図書館学研究の中心となったシカゴ大学の図書館学部の初期(20世紀初頭〜)の研究体制と研究トレンド、シカゴ大学の研究者を一つの極(中心)とする公共図書館論の変遷を丁寧に辿ったアメリ公共図書館研究史アメリカの公共図書館が読書支援から(あるいは読書支援を中核として)コミュニティ支援へとサービスを拡大していく背景を辿った労作。カーネギー財団という民間の資金と社会貢献、そして思想により、アメリ公共図書館界の基礎が実践・研究の両面で作られたことがよくわかる。課題解決型の図書館サービスが色々と話題になる日本の公共図書館だが、その発想の源流を知る意味でも読んでおいて損はないと思います。

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